ナースは見た!太っていると損することを医療現場からご報告
看護師のゆゆ子が日々患者さんと接していて、太っていると言うだけで損だなぁと思う代表的なものを、取り上げてきたいと思います。
太っていると言っても肥満レベルはいろいろありますが、特徴は手の甲がぷっくり赤ちゃんぽくなっている感じのレベルです。
体重は100kg前後のケースでしょうか。
今日は、医療者の視点で裏事も含めて暴露しちゃいます。
太っているだけで損していること。検査編
採血
血管を浮き上がらせるために腕を縛っても、見た目では全く変化がないので血管がどこにあるのか分かりません。
血管が肉の奥深くに埋もれているんですよ。
そんな時私たち看護師は、指先の神経を研ぎ澄ませて、触診で血管の位置を探すしかありません。
見た目には分からないのでね、もう指の感覚だけが頼り。
かすかに伝わる感覚で場所を突き止めたら、あとは触った感触で血管までの距離をイメトレして、勘で針を刺すしかありません。
そうです、もう、イチかバチかって感じなんですよ。
あまりにも太っている人は、血管までの距離がありすぎて針が届かないことも(汗)。
そんなこともあり一発でできる時もあれば、残念ながら失敗することもあります。
一応ゆゆ子は採血が上手だと言われている方ですが、それでもすごく難しいです。太っている人の採血って。
冷静を装いつつ実は内心では冷や汗かいていたりして・・・。
太っていると採血を失敗される確率がグーンと上がるので、何度も痛い思いをするので損ですね。
腹部エコー(超音波検査)
腹部エコーは、皮膚の表面に超音波を当てて内臓の状態を見るための検査です。
お腹にたっぷり脂肪がついていると、皮膚から内臓までの距離がありすぎて、鮮明な画像が映りません。
普通の体型ならエコーだけで状態がわかるような検査も、もっと大掛かりな検査でないとちゃんとした状態を知ることができないのです。
何度もいろんな検査を受けなければならないとしたら、時間もお金も余計にかかって損だな、と思います。
ABI検査
簡単に動脈硬化や血管の詰まりがないかを知ることのできる検査です。
両腕と両足首に血圧計を巻いて、検査を行います。
太りすぎていると毎回ちゃんとしたデータが出ず、出てくるのは参考値だけ。
正確な値ではないので、本当のところが分からないのです。
太っている人は普通体型の人よりも、血管の詰まりも、動脈硬化もリスクが高いので本来は正確なデータを知っておいた方がいいんですけどね。
太っているだけで損すること。入院編。
整形外科病棟にいた頃のお話です。
全てのケアが後回しにされる
整形外科なので、骨のどこかが具合が悪くて入院している人がほとんどでした。
そのため、自分では体を動かせない状態に置かれています。
普通体型の患者さんだったら、ケアする側も一人でどうにかすることができますが、太っている患者さんの場合は別。
とてもじゃないけど一人じゃ動かせないので、2〜3人ががりでケアに当たります。
これは意地悪ではなくてお互いの安全のためにそうしているのですが、ナースコールが重なると、どうしてもお待たせしてしまうことになるんですよ。
気軽にナースコールを押せない患者さんの気持ちを重々分かりながらも、すぐに対応できなかったのです。
勇気を出してナースコールしたのに待たされる・・・切ないですよね。
ごめんなさい。
リバビリがなかなか進まない
太っている人の多くが、膝と腰の具合を悪くして入院していました。
病状が安定してきたらリハビリに移るのですが、体重が重すぎると具合が悪いところに必要以上に負荷がかかって、すぐに痛みが再発してしまいがちです。
負荷のかけ具合のバランスを取るのが難しいようでした。
だから太るのが怖い
元気に過ごしている今はいいけれど、年齢をもっと重ねて80歳、90歳になった時、今のように元気に動き回れているでしょうか?
高齢になると、体の具合を悪くして入院する確率はグーンと上がります。
太りすぎていると先ほど挙げたようなことが、この身に降りかかってくるのです。
こうなってからダイエットを始めようとしても、動けないのでかなり難しくなります。
見てて本当に気の毒だな、と思うので、ゆゆ子は太ることが恐怖なのです。