服を減らす決意をゆるがしかねない「おさがりファッション」。ミニマリストになることは罪なのか?
先日朝のニュースで、若者の間で「おさがりファッション」が注目されていることを知りました。
おさがりファッションとは、両親や祖父母が若い頃に来ていた服を今風にアレンジして楽しむファッションのことです。
服を減らすことばかり考えている私にとっては、ちょっとした衝撃でした。
モニターに映っている子たちは、昔の服を本当に上手に着こなしていたからです。
オシャレでエコ!
子供世代、孫世代が「おさがりファッション」を楽しめるように、私たち大人世代は洋服は取っておくべきなのでしょうか?
このままミニマリストを目指すことは、子供や孫世代の楽しみを奪うことになるのでしょうか?
私なりの考えを、まとめてみました。
若者が親世代の若い頃に着ていた服に注目している理由
今の洋服の流行は、ダボっとしたシルエットが特徴のオーバーサイズと言われている洋服です。
このダボっとした感じが、80年代に流行した洋服のシルエットに似ているため、オシャレ上級者の若者が注目しているのだそう。
その子たちにとって、親のクローゼットや祖父母のクローゼットは、宝の山でしかないんですって。
女の子の場合、お母さんの服だけでなく、お父さんの服をダボっと着るのも流行っているみたいです。
こうした古着を今風にアレンジしてファッションを楽しんでいる若者が急増しているんだとか。
洋服を手放せない大人世代にとっては、朗報ですね。
ずっとタンスの肥やしと化していた服が、もう一度日の目を見るチャンスがあるということなんですから。
それも可愛い我が子や、孫世代が叶えてくれるとなったら、嬉しさもひとしおです。
過去にも「おさがりファッション」が注目されていた。
そういえば私が20歳頃も、同じように「おさがりファッション」が注目されていました。
今から25年くらい前のことです。
その当時(90年代)の流行が、60年代・70年代のファッションとよく似ていたのです。
それはちょうど親世代の青春時代とかぶっていました。
ファッション雑誌でも、おさがりコーデの特集がよく組まれていました。
あの当時と、今のおさがりファッションの注目のされ方は、よく似ていると思います。
実際には「おさがりファッション」を楽しんでいる人は少数。
雑誌やテレビで「おさがりファッション」が取り上げられていましたが、実際に着ている人はどれくらいいたのでしょうか?
思い返してみると、私が住んでいた東京郊外・首都圏では、あまり見かけなかったと記憶してます。
都内の中でも特に原宿あたりだったら、よく見かけましたね。
このことから「おさがりファッション」は、オシャレ上級者が集まる場所限定で流行っていた可能性があります。
誰もが「おさがりファッション」を楽しんでいる訳ではなかった・・・。
古着自体、嫌いな人もいますしね。
良い状態を保つためには管理能力が問われる。
おさがりファッションの対象となる服は、20年以上経過していることが多いです。
20年経っても着られる状態にしておくためには、虫食い対策、カビ対策をしておく必要があります。
子供世代、孫世代に譲るつもりで保管するのだったら、マメに陰干ししたり、メンテナンスをしたり、それ相応の手間暇がかかります。
もしも、服をとっておくのだとしたら、それくらいの覚悟が必要なのかもしれません。
虫に食われた服や、カビが生えた服は、ゴミでしかありませんから。
実際私の場合、ルイヴィトンのバッグが湿気にやられて、内側がベトベトになって使い物にならなくなりました。
修理してもらえるところを探すのも面倒で、結局捨てる事になりました。
(これは娘に残念がられました・・・反省)
ミニマリストを目指す私は「いつか使ってくれるかも」という幻想は捨てます。
「いつか使うかも」
「誰かが使ってくれるかも」
こんな考えがよぎると状態が良いものほど、処分する決断が鈍ってくるものです。
物をどれくらい持つか、その価値観は何が正解とかはありません。
私は物が多すぎると探し物が増えたり管理の手間に疲れ切ってしまうので、できるだけ物を減らしたいと考えています。
それなのに「おさがりファッション」のニュースには、その決断を揺るがす力がありました。
子供世代、孫世代に「おさがりファッションを楽しみたかったのに、どうして捨ててしまたの?」って責められるかもしれないと思ったからです。
でも、これまでのことを振り返ってみました。
そもそも「おさがりファッション」を楽しめるのはオシャレ上級者で、少数なのです。
古着を必要とされる確率も低いのです。
我が子や孫が必要としてくれるかどうかなんて、もう幻想レベルでしょう。
でも念のため、オシャレにうるさい次女に聞いてみました。
「パパやママが昔着ていた服が、今の流行に近いデザインだったら着てみたい?」
「いらない。古着に興味ないから。」
この次女の言葉で、踏ん切りがつきました。
子供世代や孫世代が私の服で「おさがりファッション」を楽しむ機会が来なくても、いいと割り切ります。